2025年中国経済の実情について解説

中国人採用を考える上で知っておきたいのが、中国経済の実情です。

本記事では、中国の経済成長率推移、人口現状、就職状況について解説します。

中国人採用のメリットや注意点もわかるので、中国人採用を考えている担当者の方はぜひ参考にしてください。

1. 中国の経済成長率推移

過去10年間の中国の経済成長率推移は以下の通りです。

2015年7.02%
2016年6.85%
2017年6.95%
2018年6.75%
2019年5.95%
2020年2.24%
2021年8.45%
2022年2.95%
2023年5.25%
2024年4.82%

※参考:世界経済のネタ帳

経済成長率とは経済規模が一定期間で変化した度合いです。

経済成長率は「経済成長率(%)=(今年のGDP-昨年のGDP)/昨年のGDP×100」で計算されます。2024年は経済成長率が4.82%と、2023年よりも高い数値を示しています。2024年の日本の経済成長率は0.32%なので、日本の約15倍です。

2025年3月5日から開幕した中国全国人民代表大会によると、2025年の経済成長率目標を+5.0%前後に設定する見通しです。

※中国全国人民代表会とは日本の国会のようなもので中国の憲法では「国家の最高権力機関」とされている

今後の景気は不動産不況、消費低迷、トランプ関税による輸出下押しにより、追加的な経済対策が必要です。しかし、財政出動の規模が不十分であることや実効ある需要喚起策の困難さから、目標達成は難しいと考えられます。

※参考:日本総研

また、大和総研によると中国の2025年から10年間の経済成長は緩やかに低下すると予想されています。

主な理由は以下の通りです。

  • 人口減少と少子高齢化の加速
  • 住宅需要の減退をはじめとする総需要の減少
  • 過剰投資と投資効率の低下
  • 過剰債務問題
  • 国進民退

※参考:大和総研

2025年の中国の人口現状

中国国家統計局によると中国の2024年末の総人口は14億828万人です。

2023年と比べると139万人減少しており、中国では建国以来初めて、3年連続で人口が減少しています。65歳以上の高齢者は前年よりも347万人増加しており、人口の15.6%を占める高齢化社会です。2023年はコロナ後に結婚したカップルにより一時的に子どもの数が増えましたが、少子化も続いています。

このような状況を受けて中国政府は、産前・産後の休暇制度や公立保育所の増設などの対策を打ち出しています。しかし、中国経済の減速や価値観の変化もあることから、少子化対策が効果をもたらすかは見通しが立っていない状況です。

※参考:NHK

2. 中国の就職状況

今、中国では就職氷河期を迎えています。

主な理由は、民家の企業の採用抑制です。寡占市場の是正やバブル退治のため、ITや不動産への規制を強めたことから、業績の悪い企業が採用を抑制し始めました。

また、大学卒業者と企業のミスマッチも大きな原因です。

多くの大学卒業者がICT、自動車、金融などの給与水準の高い業種を希望しているため、需要超過が起こっています。その一方で、企業が必要とする労働者は、工場などの現場で働く労働者です。

中国国家統計局によると、2025年1月の段階で、若年層都市部失業率(16~24歳)は16.1%です。2024年の日本の若年失業率は13%なので、日本よりも高い割合です。低賃金の仕事を受け入れたり、親の年金に頼る若者も現れたりしています。

このような状況から、優秀な中国人材が日本に流れてくる可能性があるのです。

3. 中国人採用のメリット

中国人採用のメリットは以下の通りです。

  • 若い人材を確保できる
  • 中国企業や中国人との対応がスムーズになる
  • グローバル化に繋がる

(1) 若い人材を確保できる

上記でも触れたように、中国では若い人材が仕事を求めています

少子高齢化が進み若い労働力が不足している日本と若い人材が溢れている中国は、需要と供給が一致しているのです。企業は中国人の若い人材が定着してくれるように、働きやすい環境を整えたり、納得できる待遇を与えたりすることが大切です。

(2) 中国企業や中国人との対応がスムーズになる

中国人を採用することで、中国進出のきっかけになります。

中国語と日本語の両方を喋れる中国人を採用できれば、やり取りがスムーズになります。

中国は「世界の工場」と呼ばれており、世界中の企業が製造拠点を設けています。今後、中国に製造拠点を設ける可能性がある企業は、中国人を採用できれば、活躍してくれるでしょう。

また、日本を訪れる中国人が毎年増加しています。

飲食、小売り、観光業界などで中国人を採用できれば、接客や通訳としてサービスの向上や集客に効果的です。

(3) 社内が活性化される

中国人に限らず、外国人を採用することで、社内の活性化に繋がります。

日本とは異なる考え方、文化、コミュニケーションに触れることで、モチベーションアップや意識改革が期待できます。日本人とは違った視点からのアイデアや発想が生まれることもあるでしょう。

4. 中国人採用の注意点

中国人採用には以下のような注意点もあります。

  • チームプレーが苦手
  • プライドが高い
  • すぐに転職してしまう可能性がある

中国人採用で失敗しないためにも、目を通しておきましょう。

(1) チームプレーが苦手

中国は仕事を個人で進める文化があるので、チームプレーを苦手とする人もいます。

報連相等の文化もありません。しかし、何度も進捗を確認したりすると、「仕事が遅いのかな」「仕事に口を出された」と不安に思ってしまう可能性もあります。事前に日本での仕事の進め方を説明したり、適宜フォローしてあげたりすることが大切です。

(2) プライドが高い

中国人は面子を重んじる人が多いため、人前で怒ったりすることは控えましょう。

叱る時は人目の付かないところで行い、ダメな部分を分かりやすく伝えます。

一方で、中国人は褒められるとモチベーションがアップします。

叱る時は面子をつぶさないように、良い所は積極的に褒めるようにすることで、人間関係を上手く構築できるでしょう。

(3) すぐに離職してしまう可能性がある

中国人はキャリアアップを重視しているため、転職に積極的です。

向上心が強く、常に将来を考えています。

そのため、社内でのキャリアアップが見込めなかったり、正しく評価されていないと感じてしまったりすると、すぐに転職してしまう可能性があります。

キャリアアップに必要な能力やスキルを明確に示したり、明確な評価基準を設けたりすることで、離職を防ぎましょう。

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